ムダな長時間営業問題と安時給なのにお客様第一主義の不思議について

自慢したいわけじゃないんだけど、10年くらい前から日本社会の働き方に対して違和感を感じていたことが、最近問いただされるようになって、ほらやっぱり、という心境である。

 

本当に必要かわからない長時間営業問題

今から20年くらい前までは、スーパーは20時くらいで閉まっていたし、コンビニも今ほどはなかったし、百貨店は定休日があったりお正月の三が日は当たり前のように休みだったりした。ところがその数年後からスーパーの営業時間は伸び、深夜営業は当たり前になり、商業施設に定休日や正月はなくなり、深夜営業のコンビニやファミレスが増えた。

そのときに思った。

営業時間が延びれば、遅くまで働く人が増えるわけで、遅く帰る人が増えるわけで、そんな人たちの二ーズに合わせてまた遅くまで営業する店が増えるわけで、そのぶん人も必要だし、労働時間が増える可能性もあるわけで、日本人の心はすり減るだけでは?

なんでそんな無益なことをこぞってやっているんだろう……。

みんな何も疑問に思わないのだろうか?

売り上げ伸び続けると思っているのだろうか?

消費者にとって長時間営業が必要不可欠かといえばそうでもないと思うのだが……。

などと結構長い間もモヤモヤしていたわけだが、歯止めはかからず深夜営業も定休日なしも正月なしも当たり前になり、もうそろそろ私も観念して、そのモヤモヤを忘れかけていた最近、行き過ぎた振り子を揺り戻すかのように、正月営業廃止、深夜営業廃止、営業時間短縮などををしはじめる企業が出てきた。

しかも、いざ営業時間を短縮してみたところ、売り上げが落ちなかったなんて話もチラホラ。

やっとのことで長い間抱えていたモヤモヤが、成仏しはじめたのであった。

チップもないのにお客様第一主義の不思議

若い頃のバイトといえば、まずは接客業だろう。学生の頃はファストフード店員、学校を卒業後は電話オペレーター、携帯ショップ、など私も多くの接客を経験してきた。

働きながら、どうして日本はこんなにも笑顔をふりまかなくてはいけないのだろう、どうしてできないことをできませんと言ってはいけないのだろうと思っていた。

いち消費者としても、どうしてコンビニやスーパーのレジとかファストフードとかにまで愛想が求められるのか、甚だ謎であった。

コンビニやスーパーやファストフードなんて、早さがあればよくないか?そりゃずっと仏頂面をしている店員よりにこやかな店員のほうがありがたいが、別に「こんにちは」とか挨拶なんてなくても笑顔がなくてもお辞儀がなくても、普通の顔でいいから素早くレジ打ちしてくれるほうがありがたい。

というかコンビニとかスーパーなんて、笑顔よりスピードのほうが大事でしょう。いやしかも、彼らが時給1,500円くらいもらっていたらわからなくはないんなけど、そんな金額には到底及ばないわけで。

だいたい、消費者としてお金を出しそれと引き換えにしっかりと商品を手にしてるわけで、別に店員さんにチップをあげているわけでもないし、サービス料を払っているわけじゃないし、やっぱりコンビニであいさつや笑顔なんて絶対必要ない。

もちろん、普段からにこやかな人が接客してくれたらそれはそれでその人は素晴らしいと思うんだけど、それを強制する必要ない。ま、いらっしゃいませぐらいは気が向いたら言ってもいいかもしれないけど。

飲食店とかそこそこのものを扱う物販店とか、もしくは、本人が楽しくてやりたくてやっているなら別だけど、そうでないなら、たかだか時給1,000円前後の仕事で、どこでもかしこでも笑顔で挨拶して気持ちのよいサービスを提供する必要なんてないし、それを美徳として一生懸命やろうとする必要なんてない。自分の頭で考えて、なんでも会社に言われた通りにはハイハイやる義務はないよ、とこの年になってますます思う。自分の心をも守るほうが大事だ

普通にやってりゃいいじゃん。余程イヤなことがあって終始仏頂面でいるとかでない限り、客に不快感を与えることはないだろう。

ただ、この賃金以上のサービス求められる問題も、最近、日本はサービスが過剰すぎるし、働く人のクビを絞めているという意見がインターネットなどを中心に出てきた。

行き過ぎた末に、やっとこさという感じなんだけど、これは働く人材が不足していることも一因だろう。人口が減っていることもあるけど、安い給料で色々求めた結果、働く側だって嫌気さしてるんじゃないだろうか。

このことに関しても、だから言わんこっちゃない、しつこいが「やっぱり私は間違ってなかった」という気持ちでいっぱいである。

もちろん、コンビニやスーパーだけじゃないんだけどね。それはまた機会があれば別の時に。

長時間営業問題も安賃金でサービス求められすぎ問題も、どちらも底を打った感はあるので、きっとこの先、以前のようになることはないのかなと思えることが、せめてもの救いだ。そう考えるとやはり、今日本の働き方は過渡期にあるのだろう。

まぁある程度は放っておいても色々変わってゆくのだろうが、でも、ひとりひとりがもっと声を出して変えていかなくてはけいない、などと真面目なことも思うのだった。