くだらないweb記事の諸悪の根源
「スマートニュース」をやめた!
ニュース配信アプリ「スマートニュース」の利用をやめた。
いやー、くだらないニュース目にする機会が減って、めちゃくちゃスッキリ!使ってない人にとっては何のこっちゃ?という感じなのかもしれないが、「スマートニュース」とは、さまざまなWEBメサイトからカテゴリごとに話題の記事やニュース記事をチョイスして配信してくれるアプリ。
話題になっている記事を一度にチェックできるし、動作も早いので便利といえば便利なんだけど、最近はあまりにもくだらないニュースが多くてイライラしていた。
スマートニュースを使い始めたきっかけは、仕事。WEBメディアの編集の仕事をしていて、携わっていたサイトも配信対象だった。しかも、スマートニュースにのると、その記事のPVがぐーんと伸びるため、どんな記事が取り上げられるかとか、他のサイトや話題の記事のチェックもしなくてはいけないので、スマホに入れて毎日読むことは必須だった。
ただし編集の仕事から離れたので、いったんは削除した時期があったんだけど、ライターの仕事がきっかけで再度利用するように。
んで、これがなんというか、ちょっとヒマだなぁというときに、「なんとなくヒマ潰し読み」するには確かにちょうどよくて、眠れないときとか、電車の中とか、手持ち無沙汰になった瞬間とかに、ついつい見てしまうのね。
確かにね、使いやすいし見やすくて、そのあたりは悔しいけどうまくできていると思う。ついつい見てしまう。それで自分にとって有益な情報ならいいんだけど、結構くだらないニュースが多いな…と薄々思っていはいたの。まぁ一応、使わないカテゴリを削除することはできるんだけど、トップの記事一覧は削除できなくて、そこにもくだらない記事が多い。
記事ともコンテンツとも言えないモノが配信されている
一番多かったのは、芸能人のSNSのこんな発言で、批判殺到!みたいなやつ。マジでどうでもいいんですけど……。くだらくてイラっするんだけど、最近は記事の内容というより、逆にどれほどくだらないことが書いてあるのか知りたい、みたいな感覚でついクリック……。読むと、やっぱりくだらなくてイライラする、みたいに、完全に時間をドブに捨てていた。
最近だと、西日本豪雨の被害が報道されている真っ只中で、山田優が「梅雨が明けたみたい」とつぶやいたこどで、コメントがあれてるとか、平愛梨と長友夫婦のバカップルぶりプラス、「愛梨ちゃんすてき」「ほほえましい」とうかどうでもいい読者のコメントを記事にするっていう……。こんなくだらないことをよくいちいち世に知らしめようとするよなぁと、本当に首をかしげてしまう。
あと、まとめ記事とか2ちゃんとか、釣りタイトルでほんと中身ない記事とかもわんさかあったし。
スマニューよ、そんな記事拡散してどうするよ。
何が目的だよ。
日本のメディア全体のレベルを下げるな
こんなくだらない記事があふれて、本当に読むべきものを読む機会が奪われているとしたら(というか、たぶん奪われている)?若いころからこんなものにさらされ続けた?読解能力とか物事を考える力とかに、少なからず影響するのでは?スマホの登場で、ただでさえ、文章を読まなくなっているし、読解能力下がっているのでは?とささやかれているが。完璧後押しをしている。
あと、日本のメディア全体のレベルを下げるのにも一役買っているだろう。本当は、こんなものに左右されちゃいけないんだけど、バズらせたいというメディアは今だに少なからずあるわけで。事実私も編集者時代スマートニュースをチェックしていたわけだし。
まぁまんまと罠にハマり?ついつい読んでいた私も私なんだけど。さすがにもうやめることにします。
編集者の頃のように、チェックする必要もなくなったし。
ちなみに同じように思っている人はいるみたい。
くだらないweb記事の諸悪の根源
でも、くだらないニュースを作っているのはWEBメディアなわけで、スマートニュースだけを悪者にはできないし、メディアを作る側や、読者である私達ももっと情報に敏感にならないといけないと思った。
でも、なんでこんなことになってしまったのか。その原因については、こちらの記事に書いてある内容がわかりやすかった。
該当部分を以下に引用させていただく。
歯に衣着せぬ発言で知られるKADOKAWA・DWANGOの会長、川上量生さんは「コンテンツをつくらない企業がやっているプラットフォームでは、コンテンツは単なるプロモーション材料に堕落する」としたうえで、こう指摘します。「もともとIT業界っていうのは、資本も人もないところで、するっとうまくやろうとして集まった人ばかりだから」(『ニコニコ哲学-川上量生の胸のうち』日経BP社)。
「もともとIT業界っていうのは、資本も人もないところで、するっとうまくやろうとして集まった人ばかりだから」
と……その通りだと思う…。メディアとは何か?ということを、くだらない記事を世に出し続けている一部の制作側の人たちは、たぶん一ミリも考えていない。私だって生意気なことを語ることはできないけど、ライターや編集者として関わるサイトや記事の意義は一応考えてきた。
だけど、くだらないニュースを垂れ流して拡散している人たちは、結局メディアを儲かればいい、という視点でしか見ていないからじゃないだろうか。
メディアをメディアだと思っていないというほうが正しいのかもしれない。ただの文字と画像を集めたものだと思っている。だから素人に書かせたりもしている。
現に、スマートニュースのディレクターの方は、編集や執筆の経験がなく、あくまでもディレクターの経験を買われてキャリアを築いている方だし、少し前に適当な医療記事を量産して問題になった、DeNA(ディー・エヌ・エー)が運営する「WELQ(ウェルク)」の責任者だった方も、編集者ではない。しかも、クラウドワークス経由で安価に記事を作りその記事でできたサイトをいくつか売りとばし儲けていたらしい。
私が前にいたベンチャー企業で制作していたサイトも責任者は、編集未経験の人で、案の定事業ははちゃめちゃだった。
もちろん、ウェブディレクターと編集者は職種が違うので、ウェブディレクターに編集や記事制作の経験がないのは仕方のないこともかもしれないけど、だけどやっぱりそういう人がメディアの責任者をやっているということが、いつまでたっても、webメディアに良質な記事が少なかったり、あっても読者に届きにくいことの1番の理由なのだと思う。
紙の媒体との1番の違いともいえる。紙媒体では、責任者はほぼ絶対、編集者だから。もちろん、webにも良質は記事を作っている媒体もあるんだけどね。逆に雑誌や週刊誌だって良質な記事を作っているかというと、すべてがそうとはいえないし。それでもwebメディアの数とは比にならないだろう。
とにかく、いち読者として、そして活字好きとしては、くだらないニュースで時間を潰すことと、PVに貢献することだけはもう、やめる。