「遅くまでありがとう」って最悪の言葉かも

欧州と日本の労働環境についてはよく比較されるものだ。年間休暇数や週の労働時間は断然日本が多いのに、1人あたりのGDPはかわらない、らしい。らしいとか適当なこといってごめんなさい。いつかきちんと調べてみたいと思うものの、ちゃんとやろうと思うと数時間でおわらない気がするので、いつか。

 

でも、「年間休暇数や週の労働時間は断然日本が多いのに、1人あたりのGDPはかわらない」はさまざまなところでささやかれているので、おそらく本当なのだと思う。

 

ただしどの記事もその確かな要因についてはふれていなく、おそらくいくつもの要因が重なり、労働環境の違いに大きな差ができてしまっているんだろう。

 

でも、その1つといわれるものが日本の「遅くまでがんばっているのが美徳」という観念。

 

この観念が、たぶん、みんなが思っている以上に根深い。というか、わたし自身が思っている以上に根深かった。

 

日本の労働環境についての記事を目にしたときにふと思いだしたものがある。今の会社での「○○さん、いつも遅くまでありがとう」と書かれた日報だ。これ、書いた本人は、素直に感謝の気持ちを込めて書いたもので、悪気はぜんぜんない。

 

わたしも読んだときは、○○さん遅くまで残ってやっていたんだな、仕事大変なのかな、と思った。

 

そして、遅くまでありがとうの言葉は、たぶん、今までに何度も聞いていると思う。でもよく考えたら、残業せずに仕事を終わらせれる人はありがとうといわれないわけだし、遅くまでやんないと終わらないということは、オーバーワークで業務や人員の見直しが必要なのかもしれないのに、ありがとうで済まされて、それがされないということだし、実はあまりいいことがない……。

 

それなのに使い続けられているこの言葉。「遅くまでありがとう」には、日本の「遅くまでがんばることが美徳」が現れた最たる言葉のような気がする。そして使い続けることで、それを助長すると思う。

 

まあ、突発的に何かあって残って仕事して「遅くまでありがとう」ならまだわかる気もするけど、それでも、どうしてもその日にやらないと、会社や部署にとって大変な損失!とか、人の命に関わるとかそういことは、普通の会社員が普通に働いている限りそんなにないんじゃない?と思う。

 

言いたくなる気持ちわかるんだけどね……。わたしも今までの人生で使ったことないか?と聞かれたら、1、2回言ったかもしれない。もしかしらた知らないうちにもっと使ったことがある可能性がある。でも、改めて思った、使わないほうがいい。わたしは今から使用禁止にする。もしどうしてもいいたくなったら、シンプルに、今日はありがとう、といえばいいし、いつもありがとう、でいいんじゃないか。

 

大勢の目がふれる日報で「いつも遅くまでありがとう」なんて、遅くまで働くことを全社員の前で褒めていることになる。最悪だ。書いた人は悪気なく、もっといえばいい人なんだろうけど、それだけに、余計にたちが悪い。

 

 

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